システインって大丈夫? ①

L-システインといえば、メラニンの生成を抑制し、シミやそばかすを改善する「美肌効果」をもつ美容サプリメントして大々的に売られています。

システインを含むサプリメントを飲んでいる女性は多いのではないでしょうか?

L-システインは体内で合成されるアミノ酸です。

通常の食事からでは、過剰摂取の危険は少ないと考えられますが、サプリで摂取する場合、過剰摂取になることがあるので注意が必要です。

システインの過剰摂取として、システイン・サプリを1500mgほど継続的に摂取すると、吐き気や腹痛などの副作用が発生する場合があるという臨床試験の情報があります。

そのため、システイン・サプリの販売業者には、一日当たりの摂取は1000mgまでを目安に、という方もいます。何事もそうですが、摂りすぎは健康を害する場合があります。サプリの使用は、自己責任ですが、よくよく調べたいものですね。

さて、ここから大事な情報です。

システイン(L型システイン)には、化学調味料と同じ興奮神経毒性があるという研究報告があります。

つまり、長期の過剰摂取は脳細胞を破壊し、ALSやアルツハイマーやパーキンソン病の原因になるかもしれないということです

この辺りの情報は、栄養学の情報だけを調べていても出てきません。神経生理学の分野の情報を調べる必要があります。

美容のためのサプリ摂取が、脳の健康を害してしまう可能性があるからです。

L-システインは通常、脳内に存在するアミノ酸です。その濃度がどのような仕組みで調節されているのかは詳しくわかっていないようですが、グルタミン酸同様に、必要な物質でありながらも、過剰に存在させてしまうと、脳細胞を損傷するとのことです。

以下、“Excitotoxins” RUSSELL L. BLAYLOCK M.D. より

「システインは、神経変性病のさらなる要因か」

1967年、医師たちが、幼児に急速に重度の精神遅滞・盲目・四肢のけいれん性麻痺・大脳半球の萎縮が起きる症状を発見。2歳半の幼児が死亡。同様の障害を起したすべての幼児の細胞を調べると、L-システインを代謝するために必要なシステインオキシダーゼという酵素が不足していることが判明。その結果として、幼児の神経系にL-システインの異常代謝物であるシステイン-S-サルファートが蓄積されていることがわかった。

マウスにシステインを注射すると、グルタミン酸やグルタミン酸ナトリウムを大量に投与した時と同様の神経細胞の破壊が観察される。システインは、硫黄を含むアミノ酸で体内でセリンとメチオニンという他のアミノ酸からも合成される。

グルタミン酸ナトリウムの興奮神経毒性の発見者であるジョン・オルネイ博士をはじめ、他の研究者たちも、マウスに経口で大量のシステインを与えるとグルタミン酸と同様に、脳細胞が損傷されるパターンを観察している。

この損傷は、血液脳関門に守られていない脳室周囲の器官に限られたものだった。この研究によれば、L-システインは興奮神経毒性を持つと推察される。

– Olney J.W. “ Cysteine -Induced Brain Damage in Infant and Fatal Rodents” 1972 より

さらに、これらの研究者は、この特殊な興奮神経毒について、非常に稀有な現象を観察している。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

システインの興奮神経毒性がはたらくメカニズムには、非常に興味深いものがあります。それは高濃度でなく、逆に低濃度において、血液脳関門を通り抜けるという特性です。

続きは、THINKERメンバーシップ限定会員サイト(有料)で説明します。「システインって大丈夫? ② システインの興奮神経毒性のメカニズム」

「THINKERメンバーシップ」とは?