塩とミネラルのお話 その2

「塩とミネラルの話 その1」では

ミネラルが摂取できるいろいろな

塩の選び方をお話しました

今回は塩からミネラルを摂るときの注意点です

塩の取り過ぎはナトリウムの過剰摂取になります

化学精製塩の場合は、特に摂り過ぎに注意です

しかし、完全天日塩や岩塩など、微量元素を含む

天然塩の場合は、この限りではありません

それは、ミネラルの「拮抗作用」が働くからです

拮抗作用とは、あるミネラルが他のミネラルの

吸収や働きを妨げたり抑えたりすることです

多種類のミネラルを含む天然塩(完全天日塩や岩塩)は

互いのミネラルが拮抗作用や相乗効果が働き、

ナトリウムのような単一のミネラルの過剰があっても

その働きを打ち消します (この場合、カリウム)

その一方、多種類のミネラルが多くの体内酵素を活性化させ

その結果、カラダの働きが活発になり、元気になります

「塩化ナトリウム」だけが成分の化学精製塩と天然塩とでは、

同じ塩でもまったく生理作用が異なるのです”

逆に化学精製塩のような単一のミネラルを多くとると

副作用が出る場合があります

これを「単一ミネラル障害」といいます

すべてのミネラルがそうではありませんが

ある種のミネラルを単体で取り過ぎると

カラダに悪影響を及ぼすものがあります

カルシウムやリンやナトリウムなどです

ですから、純粋な塩化ナトリウムである

化学精製塩は摂り過ぎに注意です

(塩素には過剰摂取の弊害はないようです)

その一方、塩の主成分である「ナトリウム」の過剰摂取が

高血圧と関連するというのは俗説です

ナトリウム過剰でも、血圧のまったく上がらない人がいます

これはマウスでも同じです

ナトリウム過剰で血圧が上がるか、どうかは

遺伝子の違いによることがわかっています

ナトリウム過剰で血圧が上がるナトリウム過敏の人は、

天然塩でも過剰摂取に気をつけたほうが良いかもしません

ただ、天然塩には微量元素の拮抗作用があるため、

精製塩のように血圧を上げてしまう恐れはほぼないでしょう

しかし、自分の体の声を聞きながら、

少しずつ摂取してみてください

ここで、塩について、もう一つの注意点です

それは、どんな良い塩でも

微量元素や超微量元素の摂取源にはなりますが、

塩素やナトリウム以外の「マクロミネラル」の摂取源に

ならないことです

塩だけでは、

すべてのミネラルはまかなえない、ということです

ミネラルには一日の必要摂取量が

100mg以上の「マクロミネラル」と

一日の必要摂取量が

100mg以下の「ミクロミネラル」があります

そして、マクロミネラルには

カルシウム・マグネシウム・リン

ナトリウム・カリウム・塩素・硫黄

の7種類あります

塩の主成分は、「塩化ナトリウム」ですから

塩からたくさん摂取できるマクロミネラルは

「塩素」と「ナトリウム」の2種類です

他のマクロミネラルは、さほど多く含まれていません

カリウムやマグネシウムを比較的多く含む塩もありますが、

それでも、マクロミネラルの摂取量としては十分ではありません

なので、塩に含まれないマクロミネラル、残り5種類は

他の摂取源、「食事」を基本に摂ることになります

場合によっては、サプリメントも良い摂取源になります

逆に言えば、岩塩や完全天日塩であれば、

塩は、「微量ミネラル群の優秀な摂取源」になるということです

塩もミネラルです

前回お伝えしたように十分な水分と一緒に摂ってください

体重にもよりますが

標準的な体重(50kg~70kg)なら

一日1.5リットルから2リットルです

普段体を動かさない人は

水を飲む習慣がないかもしれません

水を飲み慣れていない人は

ちょっとカラダを動してみるのも良いですね